うつ病の改善方法

うつ病の再発予防

2020年3月16日

うつ病の再発を予防する方法

 

うつ病は適切な治療を受ければ治る病気ですが、再発しやすい病気でもあります。注意点を見ていきましょう。

 

「うつ病は再発しやすい病気」

うつ病は適切な治療を受ければ治る病気ですが、再発しやすい病気でもあります。

はじめてうつ病になった人のうち、約半分の人は再発するといわれています。

さらに2回目、3回目とうつ病を発症すると、その確率はどんどん上がっていきます。うつ病は再発をくり返すほど再発の確率が高くなるのです。

また再発をくり返すと、症状も重症化することが多いと言われています。

しかし、うつ病になった人の約半分は、再発することなく過ごすことができるのですから、あまり心配し過ぎないようにしましょう。

再発するリスクを減らすために、日頃の生活で予防することが大切です。

 

「うつ病が再発するリスク因子とは…」

うつ病が再発す要因は下記の通りです。

  • 生活環境の急激な変化
  • 生活リズムの乱れ
  • 不十分な薬物治療
  • 社会的支援の乏しさ、経済的困窮
  • リハビリ不足

「環境の変化で再発も」

また、親しい人との死別や離別、結婚、就職、引っ越し、人事異動などの急激な環境の変化も再発の引き金になります。

一度治ったからといって、急激な環境の変化に無防備にならないよう、その変化をしっかり把握し、心の準備をしておくことが大切です。

またうつ病が完治したと思い、つい仕事を頑張ってしまう人も多く、休んでいた分の遅れを取り戻そうと無理をして疲労が溜まり再発しやすくなります。

十分に体力や精神力が回復しないまま職場に復帰するのも危険です。

 

「うつ病の再発を防ぐポイント」

薬は一定期間飲み続けましょう

症状がよくなったからといって自己判断で薬の服用をやめてしまったために、うつ病が再発するケースが多くあります。

うつ病はよくなっても、再発を防止するために、長期にわたって薬を飲み続ける必要があります。

“よくなったから、もういいだろう” と勝手に自己判断する事はやめましょう。

再発予防のために、薬は一定期間飲み続けることが大切です。

期間についてははっきりと決まってはいませんが、症状がよくなっても半年から1年くらいは飲み続けた方がよいとされています。

重症のうつ病の場合や、再発を何回もくり返しているようなケースでは、1〜3年程度の長期にわたって薬を飲み続ける必要があります。

また、予防のために薬を飲み続けることで、仮に再発しても症状が軽くてすむということもあります。主治医が“薬をやめてもよい”と判断するまでしっかり飲み続けましょう。

薬は、処方された抗うつ薬の中でもっとも効果があったものを少量飲み続ける維持療法が基本です。

薬の量や飲み続ける期間は患者さんによって違いますが、再発を予防するためには、主治医の指示に従って薬を飲み続けることが大切になるのです。

 

自分の性格の問題点を知ろう

うつ病になりやすい人の性格の特徴は、真面目で責任感が強い、几帳面、完璧主義などがあげられます。

性格のせいでうつ病になるわけではなく、発症の一つの要素に過ぎませんが、“自分の性格はこうだから、こんな行動をする”というように自己分析し理解しておくことが大切です。

性格は変えることはできませんが、自分の性格の傾向を知っておくことが再発の予防に役立ちます。

 

発症のきっかけや症状を思い返しましょう

自分が最初にどんな状況でうつ病を発症したのか、症状はどのようなものだったかを思い返してみることも再発を予防するためには大切です。

なぜならば、一度うつ病になった人は、以前発症した時と同じような状況に陥った時に再発しやすいからです。

最初の発症がどんな状況であったか分かっていれば、そのような状況になるのを避けることや、その状況に対して準備をすることができ、再発予防につながります。

 

自分の考え方や見方を少し変えてみましょう

うつ病になりやすい人は、頑張りすぎる傾向があります。何事に対してもあまり頑張りすぎず、“○○すべきだ” という考え方を “ほどほどでよい” と柔軟で余裕のある考え方に変えていくことが大切です。

こうした考え方を身につけることで、ストレスからも解放され気が楽になります。

また、他人の評価を気にしすぎて頑張りすぎてしまう傾向がありますので、“自分は自分”という基準を持つことも大切です。

うつ病になりやすい人は、何でも一人で抱え込んでしまう人が多いので、一人で悩まず家族や周りの人に相談するようにしましょう。

これらのポイントに気をつけながら、再発の予防に努めていきましょう。

 

「家族も再発を気にかけて」

うつ病が治ると、本人はもちろん家族や周りの人も安心してしまい、再発に無関心になってしまうものです。

患者さん自身だけでなく、家族や周りの人も、うつ病は再発しやすい病気だということを理解しておかなければなりません。

そして、何かおかしいなと感じた時にはすぐ主治医に相談しましょう。

 

自己判断はNG

うつ病が治ったかどうかの判断は、医師でさえ慎重に判断するくらいですので、患者さん自身や家族が勝手に判断することは絶対にしないようにしてください。

よくなったからと油断してはいけません。

うつ病は再発しやすい病気なのだと肝に銘じて、日ごろから再発予防に努めることが大切です。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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