うつ病の原因

うつ病になりやすい性格とは

2020年2月27日

うつ病の性格

 

性格のせいでうつ病になるわけではありませんが、なりやすい性格はあります。うつ病になった患者さんの発症前の性格にいくつかの共通点がみられることがわかっています。

うつ病になりやすい性格を紹介していきます。

 

「うつ病になりやすい性格は…」

  • 真面目で几帳面
  • 完璧主義者
  • 正義感や責任感が人一倍強い
  • 神経質で潔癖性
  • 律儀で人に頼まれると断れない
  • 他人の評価を気にし過ぎる、被害妄想がある
  • 世話好きでまわりに気配りをする
  • 頑固で融通がきかない
  • 自分の感情を表現できない、相手に伝えられない

などがあげられます。

 

真面目で几帳面な方はご注意を

このような性格の人は、他の人よりも大きなストレスを感じやすいとされています。

一般的に、まじめで几帳面な人や、完璧主義者で責任感の強い人ほど、うつ病になる傾向が高いといわれています。

このような性格の人は、何事に対しても全力で、義務感が強いため、知らず知らずのうちに自分自身を追い込み、ストレスを溜め込んでしまうと考えられています。

また、感情表現が苦手で、自分の考えを口に出せない人も要注意です。人に物事を頼まれても断ることをできない人、人との対立を避け我慢をしてしまい自分一人で背負いこんでしまう人などは精神的にも疲れてしまいます。

これらの性格の人は、自分が頑張り過ぎていることに気づいていないことが多く、適度に息抜きをし、何事もほどほどにすることが大切です。

精神医学から見た“うつ病になりやすい性格”は3パターンあります。こちらも紹介しましょう。

 

「執着気質」

日本の精神科医、下田光造によって報告され、まじめで几帳面、責任感や正義感が強く、完璧主義の性格です。

仕事熱心で凝り性のため、自分の容量を越えて頑張り過ぎてしまい、結果オーバーワークでパンクすることがあります。

執着気質の人は、マイナスな気分が持続しがちで気分転換が苦手な方が多いのです。

さらに、協調性があり、自分のことよりも他のことに配慮し自己主張をあまりせず、思いやりがあり、気配りができ、頼まれると断れない人です。

その結果、自己主張もできず、人の言動に強く反応し、傷つくことが多くあります。

また、几帳面で責任感が強く、手抜きをせず、仕事をきちんとしたい、中途半端なことが苦手で何事にも全力投球をする、完璧主義の人が多いです。

完璧主義の人は、ちょっとだけやっとこう。が出来ず、すべてを把握して、完璧にこなしたいため仕事等を他の人に任せられない、自他のミスにこだわりミスを流せないところがあります。

そして、頑張り屋さんで熱中しやすく凝り性な面もありますので、心身の疲労を無視して頑張りすぎてダウンしてしまうなど、その気持ちや性格が脳と体に無理をさせてしまう。

この状態で、マイナスな気分が継続し発展してしまえばうつ病になってしまうのです。

 

 

「循環気質」

ドイツの精神科医、クレッチマーがとなえた性格で、社交的で人間味があふれ親しみやすく親切、性格が明るくユーモアがあって元気、他人への気配りも上手で周囲と同調していく性格なのです。

周囲との人間関係の形成がうまく、社会的に成功をおさめる人が多いです。しかし、一方で物静かで気弱、興奮しやすく悲観的という要素を持っています。

循環気質の方は社交性や親切を基本として、共感性や協調性を大切にする性格なのです。

さらにこのような性格は、肥満体型の人に多いとされています。

 

 

メランコリー親和型性格

ドイツの精神科医、テレンバッハがとなえた性格です。メランコリーにはゆううつという意味があります。

メランコリー親和型性格の人は保守的で小心者、人との関係を円満に保つことを好みます。

人と争うことを嫌うので、自分と意見が合わなくても自分の意見を主張せず我慢します。執着気質と似た部分が多く、まじめ、律儀で誠実、完璧主義で、几帳面、秩序を重んじ、物事が秩序通りにいっていないとストレスを感じます。

完璧主義の人は、完璧に物事をこなせないことに大きなストレスを感じてしまい、どんどん自分を責め、追いつめてしまいます。

他の人が同じことをしたとしても優しく接することが出来るのですが、自分のことはそのように考えることが出来ないのも特徴です。

また、完璧主義の人は、環境が変化した場合、今まで通り完璧にこなせないのではないかと考える為環境の変化が苦手なのです。

他人に対して自己犠牲の気持ちが強いので、他人に対し気を使うことが無意識のうちに、大きなストレスになっている場合もあります。

完璧主義や自己犠牲などでストレスをかかえてしまう日々であれば、健康的なココロを保つ事は難しいものでしょう。

 

 

息抜きやさぼることも必要

性格はあくまでもうつ病の一つの要因にすぎませんし、性格は生まれつきのもので、簡単に変えることはできませんが、ストレスを溜めすぎないよう手抜きや息抜きをするなど、自分自身でコントロールする努力は大切です。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

-うつ病の原因