うつ病の治療法

うつ病の薬物療法 パート2

うつ病を薬物治療で治す方法

前回、薬物療法で“抗うつ薬”“抗不安薬”のことをご紹介しましたが、今回は“向精神薬”と薬物療法による治療方針についてご紹介したいと思います。

前回の記事は下記をご覧ください。

うつ病の薬物療法
うつ病の薬物療法 パート1

うつ病の薬物療法には大きく分けて “抗うつ薬” “抗不安薬” “向精神薬” の3種類あります。ここでは、この中の抗うつ薬と抗不安薬についてご紹介しましょう。 薬物療法パート1は下記をご覧ください。 & ...

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「向精神薬とは?」

うつ病の薬物療法は抗うつ薬が中心ですが、抗うつ薬だけでなく、患者さんの症状に応じて他の薬を併用して治療を行います。

心の病気の治療に使われる薬の総称を“向精神薬”といいます。

向精神薬には、抗うつ薬をはじめ、抗不安薬、睡眠薬、気分安定薬(気分調整薬)、抗精神病薬(強力精神安定剤)、抗てんかん薬(抗けいれん薬)抗躁薬などがあります。

うつ病の治療で主に使われる向精神薬について説明していきましょう。

 

 

「睡眠薬」

睡眠薬は主に睡眠作用(眠らせる作用)を持つ薬のことです。うつ病では不眠に悩むことが多く、しっかり睡眠をとるためによく処方されます。

睡眠薬というと、依存性を心配する人がいますが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、重い副作用もほとんどないので安心です。

睡眠薬には、“超短時間作用型”から“短時間作用型”ある程度長時間作用する“中間型”“長時間作用型”まで種類があり、症状に合わせて使い分けることができます。

夜中に目が覚める、朝早くに目が醒める早朝覚醒には、作用時間が長い中間型や長時間作用型が効果的です。

しかし、長時間作用型の睡眠薬は、翌日まで眠気やふらつきが起こることがありますので、ひどい時は医師に相談しましょう。

また、睡眠薬は、急に服用をやめると反対に不眠になる、イライラするなどの症状が出ることがありますので、やめるタイミングにも注意が必要です。

服用をやめる時は、必ず医師に相談するようにしましょう。

 

 

「抗精神病薬」

強力精神安定剤とも呼ばれ、脳のドーパミンの作用をブロックする働きがあります。抗精神病薬は、軽度のうつ病の場合には使われません。

不安感や焦燥感が強く、抗うつ薬や抗不安薬ではあまり効果がみられない場合や、妄想をともなう場合、難病性うつ病の場合など、症状が重いうつ病の治療に使われます。

主な抗精神病薬には、ペルフェナジン(PZC、トリラホン)クロルプロマジン(ウインタミン、コントミン)、レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)などがあります。

 

 

「気分安定薬」

気分の波を抑える薬で、抗うつ薬と併用することで抗うつ薬の効果を高めてくれます。

リチウム(リマース)は抗うつ薬と併用すると抗うつ効果が高まります。また、衝動性を抑える働きがあるため、自殺を予防する効果もあります。

ただし、多量に服用すると“リチウム中毒”を起こし、吐き気や手の震え、意識障害、下痢などの症状があらわれることがあります。

バルプロ酸(デパケン)は、本来はてんかんの薬ですが、気分安定薬の中でももっとも効果的で、幅広く使われている薬です。

多めの量を使うとより効果があるといわれています。副作用としては、眠気や吐き気、脱毛、頻尿などの症状があらわれることがあります。

 

 

「うつ病の薬物による治療方針」

うつ病の初期の薬物による治療は、抗うつ薬のSSRIやSNRIが第一選択薬となります。抗うつ薬は多少の副作用があっても、最初から十分な量を使い、早くうつ病を改善させることが重要です。

うつ病は、不眠、倦怠感、食欲不振など身体に様々な症状があらわれますが、薬によってうつ症状が改善すれば、それらの症状も軽減されます。

また、初期の抗うつ薬の投与は、1種類の抗うつ薬を使う“単剤処方”が基本です。はじめから数種類の薬を投与すると、どの薬が効いて、どの薬の副作用がでているのか分からないからです。

しかし、日本ではまだ数種類の薬を併用して出すというケースも多くみられます。

また、患者さんが不眠の症状を訴え眠れないという時は、睡眠薬を併用して出すこともあります。

また不安を訴えるようなときは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を補助的に併用する場合もあります。

抗うつ薬を飲み続けても症状が改善しないときは、薬を増量して様子をみるか、薬の種類を変更するなどして、効果を検証しながら治療を進めていきます。

 

 

「抗うつ薬の副作用が出たときの対処法」

抗うつ薬は、薬の効果が実感できるまでに1週間〜数週間かかりますが、副作用は服用したその日から出ることがあります。

効果を実感する前に副作用の方が先にあらわれてしまうのです。

主な副作用への対処法について説明します。

 

めまい・立ちくらみ

急に起き上がったときなどに出やすいので、動作をゆっくりするようにしましょう。

そうすることである程度は防ぐことができますが、あまりにひどい場合は、薬の量を減らすか、他の薬に変えてもらうとよいでしょう。

 

消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢、便秘)

消化器症状は服用後すぐにあらわれやすい症状で、患者さんにとってはつらい副作用です。

消化器用薬などで対応しますが、たいていの場合は時間とともに改善されます。

便秘には、水分の摂取、適度な運動が有効ですが、改善されない場合は、便秘薬を服用するのもよいでしょう。

 

だるさや眠気

だるさや眠気は薬が効いている証拠ともいえます。服用後数日から1週間ほどで症状は軽くなってきます。

 

口の渇き

水やお茶をこまめに飲む、ガムをかむなどの方法がありますが、水分や糖分の摂り過ぎには注意が必要です。

口の渇きは一時的なもので、やがて消えていきます。

 

 

副作用は、これらの対処をすることである程度は防ぐことができますが、耐えられない場合は、薬の量を減らすか、薬の種類をかえてもらいましょう。

 

  • この記事を書いた人

たつや(心理カウンセラー)

元製薬会社勤務で医薬品とサプリメントの部署で営業マンをやっていました。医薬品とサプリメントの情報なら専門家にお任せください。 僕も多忙から、うつ病になり退職しましたが、十分に休養して社会復帰できました。 現在は心理カウンセラーとして、うつ病や抑うつ状態の方を積極的に支援しています。

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