うつ病の治療法

うつ病は早期発見が大切

2020年2月27日

うつ病、早期発見

 

うつ病を早期に発見するためには、早めに異変に気付くことが大切です。日ごろから自分の心や体の状態に気を配り、“うつ病のサイン”を見逃さないことが重要です。

うつ病を見逃さないためには、抑うつ状態や気分の落ち込みの程度に注意しましょう。

 

「不調が長くなると要注意」

気分の落ち込みや、ゆううつな気分が、“ときどき”なのか“いつまでも続いているのか”を目安にしましょう。

また、特に朝に気分の落ち込みが激しく、夕方から夜にかけてよくなるという“日内変動”がある場合は、注意が必要です。さらに、何もやる気がおきない状態が1週間以上続いていれば、うつ病の可能性があります。

うつ病は、突然症状があらわれる病気ではなく、体の不調からはじまることもあります。

「眠れない」「体がだるく疲れがとれない」「食欲がない」など、ごく普通の体の不調からはじまるケースもあり、うつ病とは気づかれないこともあるので要注意です。

体調不良が長い間続いていて、病院を受診しても体に異常が見つからない場合は、うつ病の可能性があります。

 

「こんな症状があったらうつ病の疑いが…」

 

【精神的症状】

  • 気分が落ち込む
  • やる気が起こらない
  • 動作がゆっくりで反応が鈍い
  • 何をしても楽しくない
  • 口数が減って元気がない
  • 何となく不安でイライラする
  • 物事に集中できなくなる

【身体的症状】

  • 体がだるい
  • 疲れやすく疲れがなかなかとれない
  • 寝つきが悪くなったり、何度も目が覚めてしまう
  • 頭痛やめまいがする
  • 食欲がなくなり体重が減る
  • 下痢や便秘が続く
  • 性欲がなくなる

これらは、うつ病の症状のことがあります。とくに、症状が長く続き、明らかな身体的疾患がみつからない場合には、うつ病を疑います。

 

「自己判断はやめましょう」

うつ病は、放置するとどんどん症状が悪化して、治りにくくなります。“一時的なものだ”“疲れがたまっているだけ”と勝手に解釈してしまうと、うつ病の兆候を見逃すことになりかねません。

“これまでと何か違う”と感じたら、我慢や自己判断で大丈夫と思わずに、精神科や心療内科の専門医に診てもらうことが大切です。

また、うつ病の早期発見のためには、家族の目も大切です。うつ病は、自分がうつ病にかかっていることに気づかないこともあります。家族なら、いつも身近にいて、本人の状態をよく知っているはずです。

“いつもと様子が違う”“これはおかしい”ということに気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診するようすすめましょう。病気を悪化させないためにも、できるだけ早く病院に連れて行き、早期発見と早期治療をすることが大切です。

 

「よい医師を見つけましょう」

うつ病かなと思ったら、何科を受診すればよいのでしょうか?うつ病の診断や治療は、主に精神科や心療内科で行っています。

精神科に行くことに抵抗がある方は、かかりつけ医に相談してもよいでしょう。うつ病の疑いがある場合は、専門医を紹介してくれます。

大学病院や総合病院は様々な診療科がありますので、体の病気もある患者さんにとっては、全て診てもらえるというメリットがありますが、紹介状がないと受診できない(あるいは、紹介状がないと追加のお金がかかる)、待ち時間が長い、担当医が変わるなどのデメリットもあります。

うつ病と診断されると、しばらくは通院が必要になりますので、できるだけ通いやすい病院を選ぶことが大切です。

はじめてのときは、精神科の診療所やメンタルクリニックがかかりやすいでしょう。夜間や土曜日でも診療を行っているところが多く、医師が変わることもないので安心です。。

 

「よい医師とは?」

うつ病の治療にとってもっとも大切なのは、適切な診断と治療をしてくれる医師を見つけることです。どのような医師を見つければよいのでしょうか?

 

○よく話を聞いてくれて丁寧に答えてくれる

患者さんの話をじっくり聞いてくれる先生はよい医師です。家族や職場の話など、医師の方から色々聞いてくれて、適切なアドバイスができる経験豊富な医師がよいでしょう。

 

○治療方針や薬の作用をしっかり説明してくれる

患者さんは、自分の病気が治るのかとか、治療法はどうするのか、今後のどうなるのかという不安や疑問を持っています。そういった不安や疑問に納得するまできちんと答えてくれる医師がよい医師です。

また日常生活において注意すべきことなど、具体的にアドバイスしてくれる医師がベストでしょう。

 

○医師との相性

うつ病の治療は、人によっては長期間になります。この長期間の治療でもっとも大切なのは、患者さんと医師との信頼関係です。

医師と信頼関係を築けるかどうかは、治療の経過を左右するほど大切なポイントです。医師との相性が合わないからといって、次々と医師をかえることは治療においても良いことではありませんが、どうしても信頼できないような時は、他の専門医に相談するのもよいでしょう(セカンド・オピニオン)。

  • 医師の方から質問が少ない
  • 患者さんの質問に対して説明が不十分
  • 薬の効能や副作用、今後の治療方法についての説明が不十分
  • いきなり多種類の薬を出したり、(症状が改善しないのに)ずっと薬の処方が同じ
  • 半年以上経っても症状がよくならない

これらに当てはまる医師の場合は、他の医師にかえることも考えてみてもよいでしょう。

うつ病の疑いのある症状が出たら、まず専門医に行ってみましょう。うつ病は早期発見することにより軽いうちに早く治せます。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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