うつ病の症状

「うつ病」と「ゆううつな気分」の違いとは?

2020年2月25日

 

人は強いストレスやショックを受けたときに、一時的にゆううつな気分になったり落ち込んだりします。こうした通常の「ゆううつな気分」と「うつ病」には、どのような違いがあるのでしょうか?

 

「ゆううつな気分の特徴は?」

ゆううつな気分になるときは、何かショックなことが起きたり、強いストレスを受けた時だと思います。

その落ち込みの場合は、生活や仕事に一時的になりもやりたくない…などで支障が出ますが、そのゆううつな気分の原因が解決すれば元の自分に戻ります。

今よく言われる「サザエさんシンドローム」なども日曜日の過ごし方やその先に楽しみな予定などを入れるなどしてみると解決するのでゆううつな気分の特徴のひとつです。

ゆううつな気分の場合は、原因がはっきりしており、その原因を解決したり、気持ちの切り替えを上手に自分でもっていけば、気分が晴れてよくなるものなのです。

 

 

「うつ病の特徴は?」

うつ病の抑うつ症状の場合、通常のゆううつな気分とは異なり、もっとつらく重苦しいイヤな気分が続きます。

どうしてそんなイヤな気分なのか、原因がはっきりしないことが多く、悲しみというより虚しさのような耐えがたい落ち込みが続きます。

このような強い落ち込み状態が2週間以上続いていることがうつ病の特徴といえます。

またうつ病の場合は、意欲が低下し何もやりたくなくなり、日常生活に支障をきたします。

それまで普通にできた仕事が出来なくなったり、一つのことをやり終えるのに長い時間がかかるようになるなど動作が緩慢になります。

その他には、注意力が散漫になって、物事に集中できなくなるため、仕事や家事に支障をきたしてしまうのです。

また何をしても楽しい、うれしい、おいしいという感情がわかなくなったら、うつ病かもしれません。

大好きだった趣味や仕事にも興味を失い、何もかもがつまらなく感じられなくなります。

さらに気分の落ち込みとともに、食欲がない、眠れない、疲労感が抜けないというような体の症状があるのもうつ病の特徴です。

 

代表的なものが睡眠障害

なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める、熟睡できない、というような症状があらわれます。

それにより、食欲がなくなり体重が減ったり、体がだるくて疲れがとれないといった身体的症状があらわれた場合は、うつ病の可能性を疑いましょう。

また、うつ病の特徴として特に朝方に気分の落ち込みが激しくなり、夕方から夜にかけて徐々によくなっていくという特徴があります。

症状があらわれた場合は、うつ病の可能性を疑いましょう。

 

 

「うつ病のサイン」

  • ゆううつで、何に対してもやる気がおきない。
  • 集中力が低下し、決断ができない
  • 何となく不安でイライラする
  • 人と話すのが面倒で、外出する気になれない
  • 身だしなみやおしゃれに関心がわかない
  • 自分なんて消えてしまいたいと思うことがある
  • 夕方になると気分が楽になる
  • なかなか眠れない
  • 夜中に何度も目が覚めて、寝た気がしない
  • 何を食べてもおいしくなく、食欲がない
  • 体がだるく、疲労感がある
  • 性欲がわかない
  • 動悸がして息苦しくなる
  • 頭痛・肩こり・腰痛などの体の重さや痛み

以上の症状の内いくつも該当しているようならうつ病の疑いがあります。

 

 

「うつ病とゆううつな気分」

うつ病と、ゆううつな気分の違いの代表的なものとして、落ち込みの時間の継続性です。

通常のゆううつな気分の場合は、時間が解決してくれることも多いのです。時間の経過で少しずつ癒され気分がよくなっていきます。

すごくゆううつな気分になっても、2週間くらいで気持ちが少し楽になり、夜眠れなかったものが眠れるようになり、食欲も出てきます。

ゆううつな気分の場合、うれしいことや楽しいことがあると幸せな気分になり、趣味やスポーツをすることで気持ちが楽になります。

もちろん、たまにはゆううつな気分になった出来事などを思い出して、落ち込んでしまったり、悲しくなったりすることはありますが、1日中そのことばかり考えている、何週間もずっと落ち込んでしまうということはほとんどないのです。

なぜならば、人には自分を立て直す力があるからなのです。この自分を立て直す力で、ゆううつな気分になっても徐々に戻っていくのです。

うつ病になると、脳のエネルギーが足りなくなった状態になり、この自分を立て直す力がうまく機能しなくなってしまいます。

そのため、なんでも悪い方向に考えてしまい、ゆううつな気分により激しく落ち込み、睡眠障害も起きやる気がなくなってしまうのです。

嬉しいことや楽しいことがあっても、気分がよくならない場合には、うつ病を疑いましょう。

 

 

「うつ病かもと思ったら?」

もし、自分がうつ病かと感じたら、早めに精神科や心療内科などの専門医に行くことをお勧めします。

家族や周りの人がおかしいなと感じても専門医に連れて行きましょう。

うつ病というと、ちょっと特殊な病気、精神的なものというイメージがあり、専門医に行くのに抵抗がある方もみえると思います。

現在、日本の国民で一生の間にうつ病などの精神疾患にかかる人の割合は18%とも言われています。

約6人に1人という計算になり、街でも数多く心療内科があります。特殊な病気などではなく、誰もがかかる可能性のある病気なのです。

専門医にいくことが、心も体も元気にする近道なのです。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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