うつ病の症状

うつ病が治るまでの過程

2020年3月9日

うつ病は休養と睡眠

 

うつ病と診断されると、専門医では症状に合わせ、休養、精神療法、薬物療法などを行います。

 

休養

休養で会社を休むことは、診断が出ているので会社での理解も得られますし、そもそも休養はわるいことではありません。

休むことは治療の一環でありとても大切なことなのです。休養中は“何かやらなければ”とあせる必要もありません。

休養は、うつ病から回復するために非常に重要なものなのです。

 

薬物療法

薬物療法では、幸せホルモンといわれているセロトニンや、警告ホルモンといわれているノルアドレナリンに作用する抗うつ薬が使われることがあります。

他にも三環系や四環系と言われている抗うつ薬もあり、その中から患者さんの症状に合ったものを処方されます。

 

精神療法

精神療法では、カウンセラーや医師が患者さんといろんな話をしながら、どのようにすればココロが軽くなるのか、問題を解決できるのか?などを一緒に考えたりはなしたりします。

うつ病は治療をしてすぐ回復する病気ではありません。うつ病は回復するまでにある程度時間がかかるものなのです。

症状が良くなったり悪くなったりを繰り返して徐々に改善していきます。

 

 

生活リズムを整えながら休養

うつ病になると最初にイライラや不安、気分の落ち込み、食欲の低下、不眠などの症状が重くつらい期間がやってきます。

早く仕事に復活したい、元に戻りたい、と思って治療を開始した患者さんにとって、この時期はとてもつらく、心身ともに衰弱している状態です。

この症状は必ずと言っていい程、誰もが通りますので焦りは禁物です。

この時期は、とにかくしっかりと休養をとることが大切です。

休む時の環境にも注意が必要です。自宅で休養は自営業の人や家族がうつ病の理解に乏しい状態では、気を遣ったり、いろいろ気になって休めなかったりするものです。

そういう場合には、入院をしてじっくり休養をとるということも可能です。病状がひどいだけではなく、心や体を休めるために入院という選択肢を選ばれる方もいます。

また、抑うつ症状の強い時期には安静を保つ必要もありますが、食事は3食決まった時間帯にとり、眠りにつく時間なども調整し、生活リズムを乱さないようにすることも大事です。

また抗うつ剤などによる薬物療法は、効果があらわれるまでに時間がかかりますので、焦らず治療を続けていくことが重要です。

うつ病と診断を受けてから、適切な薬物療法を開始すれば、1〜3ヶ月くらいで症状が軽くなるようです。

 

 

無理すると再発の恐れ

つらい時期を過ぎると、調子がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、症状が少しずつ改善していきます。

半年〜1年でイライラや気分の落ち込みなどの症状が消えたと実感する患者さんが多いようです。

うつ病の症状が2ヶ月間認められない状態を「寛解」といい、一見病気が治ったかのように思え、患者さんは楽になりますが、完全に回復したわけではありません。

患者さんが治ったと勝手に判断して薬を減らしたり、飲むのを止めてしまったり、無理をすると、症状が再発、悪化してしまう恐れがあります。

そうなると更に回復にも時間がかかってしまいますので勝手な自己判断はやめましょう。

また症状から解放され調子がよくなるので、職場への復帰を急ぎがちになりますが、十分に回復していな状態で復帰をすると、症状が悪化する危険があります。

徐々に改善している回復期は、徐々に活動を増やし、生活のリズムを整えていくことが大切です。

医師との話し合いで職場に復帰した場合でも、無理をせず徐々に体と心を慣らしていきましょう。

 

再発を防ぐためにやるべきこと

このように回復している時期を過ぎても油断してはいけません。うつ病は再発することも多く、再発率は50%、あるいはそれ以上とも言われています。

うつ病の症状が軽くなっても、2〜3ヶ月後にまた症状が悪くなるということがあります。そのためしばらくは薬物療法を続けながら再発を予防する必要があります。

調子がよくなってくると、患者さん本人も家族も気がゆるみがちになり、自己判断で薬を飲むことをやめてしまたり、飲み忘れてしまうこともあるので注意が必要です。

きっちりと医師から処方された薬を服用し続け、再発のサインが出たら、医師に相談することが重要です。

“これ以上悪くなることはないはず”などとは思わず、気になる症状がでた場合は主治医に相談することが再発予防になるのです。

 

まとめ

うつ病は、再発を繰り返すたびに症状が重くなるといわれていますので、いったん症状が落ちついたからといって、油断して自己判断で行動せず、必ず医師の指示に従い、症状が回復しても薬物療法は継続して行いましょう。

再発の症状はうつ病になったときと同じ症状であることが多いので、再発のサインに気づいたら主治医に相談しましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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