うつ病の症状

うつ病の症状とは?

2020年2月25日

 

うつ病の症状は人それぞれです。精神的と身体的に症状が出てきますし、放置しておくと悪化していきます。悪化する前にどのような症状があるのかを詳しく見ていきましょう。

 

「うつ病になると…」

うつ病になると、「精神的な症状」と「身体的な症状」があらわれます。

うつ病はとても説明しにくい病気ですが、脳のエネルギーが足りなくなった状態で、憂うつな気分になり、いろいろな意欲の低下といった精神的症状が続くだけではなく、いろいろな身体的な自覚症状を伴うこともあります。

脳のエネルギー不足により、脳から出している指令等のトラブルが発生してしまっている状態なのです。

人間には自然治癒力があり、通常はいろいろな不具合を修正し回復に向かっていってくれるのです。

しかし、脳のエネルギー不足により、自然治癒力によって回復に向かうはずが、時間がたっても回復しなかったり、悪化していってしまう場合は、「うつ病」と診断されることが多くなります。

それは生活の中にあらわれ、今まで当たり前にできていた家事や仕事などがうまくできなくなり、日常生活全般にも支障がでてくるようになります。

 

 

「うつ病の精神的な症状」

精神的な症状の中でも、特に感情面に強く症状があらわれると言われます。うつ病になると、1日中ゆううつで気分が晴れません。

ため息をつく回数が増え、毎日がつまらなく感じモヤモヤした感じになります。

うつ病のゆううつ感は普段感じるゆううつとは異なり、例えようがないほどつらく嫌な気分が何日も続きます。

さらにゆううつがひどくなると、不安でじっとしていられなくなったり、イライラしてキレやすくなったりします。

このような症状の他に、様々なことに対して興味や関心がなくなり、喜びを感じなくなるという「興味や喜びの喪失」という症状もあらわれます。

何をしても楽しいとう感情がわかなくなるため、すべてがつまらなく感じてしまいます。

おしゃれをしなくなり身なりもだらしなくなります。また意欲が低下し無気力になるため、行動力や決断力も鈍くなります。

今までふつうにできていた仕事が手につかなくなったり、外出することがめんどうになります。家事も時間がかかるようになり、動作が遅くなります。

注意力や記憶力も低下するので相手の話を理解することが難しくなり、人と話すのがつらくなってしまいます。

本人はやらなければ!と思って気力を奮い立たせてもうまくいかないため、自責の念にかられてしまうこともあります。

このような症状が進むと、自分は価値のない人間と思い込み自分を否定するようになります。

ときには被害妄想にとらわれ、マイナス思考に陥ってしまいます。自分を否定するあまり自殺を考えてしまうこともありますので注意が必要です。

 

 

「うつ病の身体的な症状」

精神的な症状の他にも身体にも症状があらわれます。

身体的な症状としてあらわれるものは、睡眠障害、全身疲労、倦怠感、頭痛、めまい、体重減少、食欲低下、性欲減退、吐き気、肩こり、口渇、便秘、下痢、体の痛み、しびれ、月経異常など人によって様々です。

うつ病の人に最も多い身体的症状は睡眠障害で、寝付きが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めて再び眠れなくなる、という症状があらわれます。

睡眠障害になると、食欲がなくなり体重が減ったり、下痢や便秘を引き起こすこともあります。

また体が疲れやすくなり、だるくて仕方がないといった症状もよくあらわれます。

性欲が減退し、女性の場合は月経不順や無月経になることがあります。

このようにうつ病によって身体に様々な症状があらわれます。人によってあらわれ方や程度も個人差があります。

 

 

「睡眠障害って?」

睡眠は健康を保つためにとても大切なものです。睡眠は、心身の疲労回復、免役力の強化、記憶の定着といった役割もあり、十分な睡眠をとるということは、日常生活を楽しく充実したものにすることにつながるのです。

睡眠障害というと不眠症を思い浮かべる方が多いと思いますが、睡眠に何か問題があることを総称し睡眠障害というのです。

眠れないという不眠症以外にもいろいろな症状があり、昼間眠たくて仕方ない過眠症状、睡眠のリズムがうまく取れない、睡眠中に動きまわってしまう夢遊病(睡眠時遊行症)や睡眠時無呼吸症候群なども睡眠障害になります。

また睡眠障害の原因は、病気などの他、仕事や人間関係などのストレス、生活のリズムの乱れなどでおこるといわれています。

 

 

「うつ病と睡眠障害」

睡眠障害がおこると、眠気やだるさ、集中力低下など日中にも症状が出現します。

そして、睡眠障害が体調不良などの身体の症状、脳がうまく働かず仕事でミスをしたり、今まで楽しいと思っていたことに興味がなくなり、意欲の欠如を起こします。

このように、睡眠障害が長期化することにより、徐々にうつ病になることがあります。

 

 

まとめ

うつ病は自分で気づきにくく、体調不良かな?などと思いそのままにしてしまい、周りの勧めで専門医に行くとうつ病と診断されることもあります。

もし体調不良などの症状が出て、かかりつけの病院(一般の内科)を受診しても原因が見つからない場合は、心療内科や精神科の専門医に診察してもらいましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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