うつ病の改善方法

心と体をリラックスさせる方法

2020年3月4日

リラックス効果

 

自立訓練法は、ドイツの精神科医によって開発されたもので、自己暗示によって催眠と似た状態をつくりだし、心身を効果的にリラックスさせる方法です。

催眠状態は、ストレスに対する抵抗力を高めるといわれています。この自立訓練法は、自宅で座って数分間程度で簡単に行うことができます。心身をリラックスさせる効果的な方法ですので、是非取り入れてみましょう。

 

「自立訓練法の手順」

静かな部屋でイスに座るか布団の上で仰向けになり、軽く目を閉じてゆっくりと腹式呼吸をします。まず「気持ちが落ち着いている」と暗示をかけます。

次に、以下のように暗示をとなえていきます。まず1~2で準備をして、その後3〜6の暗示をとなえていきます。

  1. 右手に意識を持っていき、「右手が重たい」と心の中でくり返す。右手が重く感じたら、左手、右足、左足と順に続けていく。
  2. 同様に「右手が温かい」と心の中でくり返し、左手、右足、左足の順に続けていく
  3. 「心臓が規則正しく静かに鼓動している
  4. 「楽に呼吸している」
  5. 「おなかが温かい」
  6. 「額が心地よく涼しい」

自立訓練法は6段階ありますが、自宅では2段階まででも十分です。

終わったあと、いきなり立ち上がると、ふらつくことがありますので、必ず以下の「消去動作」を行ってください。

 

○両手を数回握ったり開いたり開閉運動をする

○両ひじを数回曲げたり伸ばしたり屈伸運動をする

○大きく背伸びし、深呼吸をして目を開ける

 

「その他のリラクゼーション方法」

○腹式呼吸

腹式呼吸をすると、α波が増え、心を安定させる効果があるといわれています。

  • 口をすぼめて「フーッ」と息を吐ききります。
  • 吐ききったら、2〜3秒息を止め、ゆっくり鼻から息を吸い込みます。
  • 2〜3秒息を止め、再び口から吐き出します。

これをくり返すことで、全身がリラックスします。お腹に手をあてて行うとよいでしょう。

コツは息をすべて吐ききることです。

 

○筋弛緩法

筋肉を緊張させ、一気に脱力することで緊張をほぐす方法です。

  1. 肩の力を抜いてゆっくり呼吸する。
  2. 両肩を持ち上げて力を入れます。
  3. 10秒数えて肩の力を抜いて、肩から背中の筋肉が緩んでいくの感じとります。

イスに座っても、立ったままでもOKです。楽な姿勢で行いましょう。

 

「理学療法を上手く活用しよう」

理学療法とは、指圧やマッサージ、鍼灸や整体などや、電気などを照射して患部を直接刺激する治療法です。病院などでは、免許を持った専門の理学療法士が、医師の指示をもとに行います。

うつ病で引きこもってばかりいると同じ姿勢で過ごすことが多く、肩こりや腰痛、頭痛といったような身体症状を訴える人がいます。

そのような身体症状の人には理学療法を上手に取り入れることで、身体症状が和らぐ場合があります。

理学療法は、かたくなった筋肉をほぐしたり、乳酸などの老廃物を取り除いたり、骨格のゆがみを修正したりすることで、血行をよくして痛みやコリを解消していきます。

 

「いろいろな理学療法」

 

○指圧

体のツボを刺激して血行をよくします。人間の体には360ものツボがあるといわれており、そのツボを指や手のひらで圧迫します。

○マッサージ

からだを揉んだり、押したり、さすったりして体の表面に刺激を与え、血液やリンパの流れをよくします。痛みを和らげるだけでなく、スキンシップによる心理的な効果も高いと言われています。

病気の治療や予防に効果的です。

○整体・カイロプラクティック

手技により、脊髄や頚椎などの骨格のゆがみや異常を整えます。神経生理機能を正常に戻し、健康を増進させる効果があります。

○鍼灸

鍼は、からだの表面に鍼を浅く刺し、ゆるやかな刺激を与えて身体機能のひずみを調整します。

灸は、ツボにもぐさをのせて火をつけ、温めて刺激をします。鍼は施術するのに免許が必要です。

灸はやけどなどのトラブルをおこすことがあるので、どちらも専門の鍼灸院でやってもらうようにしましょう。

 

根本的な治療を

これらの他にも、遠赤外線や高周波、低周波の電流など、器具を使って患部を温めたり刺激したりするものもあります。

また、牽引器などで関節や筋肉を伸縮させる運動療法もあります。最近では、至るところに鍼灸や指圧、整体・カイロプラクティックなどの治療院がありますし、健康保険が適用されるところもあるので、探してみるのもよいでしょう。

しかし、理学療法は根本的な治療ではなく、あくまでも一時的な改善策として考えましょう。

うつ病は、理学療法だけで治る病気ではありません。病院での治療に取り組みながら理学療法を上手に取り入れてみましょう。

また、理学療法によって逆に痛みがひどくなるといった事例もありますので、自分に合わないなと感じたら無理せずにやめましょう。

鍼灸など毎日通うのは大変ですが、専門的な知識がなくてもできる指圧やマッサージなど自分や家族でも簡単にできるものを自分なりに工夫し、日常生活に取り入れてみるのもよいでしょう。

心と体をリラックスさせ、ストレスに強い心と体をつくりましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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