うつ病には、ストレスがよくないと言われています。生活の中でストレスをためこまないためには、ストレスに対する抵抗力をつけることも大切です。同じようなストレスを受けても、その受け止め方には個人差があります。それを“つらい”と感じるか“前向き”に感じるかで、ストレスの度合いは違ってきますし、ストレスの受け止め方でストレスは強くも弱くもなります。
「ストレスに強い人の特徴」
- どのような時も自分のペースを保てる
- 何かあった時に感情の切り替えが上手
- 嫌なことがあっても、“まあいいか”と受け流せる
- 失敗してもくよくよ考えこまない
- 困ったとき助けを求められる人がいる
- ストレスを解消できるような趣味をもっている
誰にでも少なからずストレスはありますが、どのような受け止め方をするか、ストレスの発散方法を知っているかで自然とストレスに強くなっていくのです。
「生活習慣を変えて、ストレスに対する抵抗力をつける」
ポジティブシンキング…ものの見方や捉え方をプラスに考えてみましょう
規則正しい生活…自律神経やホルモンのバランスを整えましょう
鈍感力…ストレスに対する捉え方を変えて、ストレスに鈍感になろう
知ってみよう…ストレスに対する抵抗力をつけることができると知ることが大切です
「問題が起こった時の対処法」
人は、さまざまな方法でストレスに対処しています。一人でよく考える、誰かに相談してみる、気分転換をはかる、ストレスを避ける、などを組み合わせながら対処をしていますが、その場面や自分の能力に応じた方法で対処することが大切です。
自分が抱えているストレスに正面から向き合わずに、アルコールや薬物などに逃避してしまう対処法は悪い対処法です。これでは解決にならないばかりではなく、さらにひどいストレスを抱え込むことになってしまいます。
ストレスがもっとも強く感じられるのは、それに対する対処法が分からなくなったときです。
問題が起こったときに、解決するための方法がわかっていると、ストレスに対する抵抗力が高まるといわれています。何か問題が起きたときは、次のように考えてみるとよいでしょう。
- その問題を客観的に見てみる
今起こっている問題は、自分にとって大きな問題かを冷静に考え、自分がマイナス思考におちいっていないか検討する。
- 解決目標を設定する
起こっている問題が、避けて通れない問題だと分かったら、その問題をどう解決したいのか、目標を具体的に設定してみましょう。
- 問題をこまかく、管理しやすく細分化する
問題を細かく細分化して考え、具体的な対策を考えます。
- 自分と他者を置きかえてみる
自分がかかえている問題を、他の人だったらどうするか考えてみます。
- 解決策の長所と短所を比較してみる
いくつかある解決策の、それぞれの長所と短所を比較してみて、実際的で望ましいものから並べてみる。
- 解決策を実行するイメージをする
よいと思う解決策を実行したときの様子や、結果をイメージしてみる
- 実際に実行する
解決策を実際に実行してみます。仮に失敗したとしても、前向きに考えるようにし、もう一度問題を考え直してみます。
大切なのは、“何をしたか”ではなく“どう行ったか”の過程です。ストレスをあるがままに受け入れ、そのストレスをうまくコントロールすることができれば、ストレスに対する抵抗力が高まり、同じようなストレスが起こっても、うまく対処できるようになります。
「生活習慣を変えて、ストレス耐性をつける」
- バランスの良い食生活
栄養バランスの良い食事はエネルギーの源で、血液、筋肉、骨を作るだけでなく、疲労回復、体の調子を整えてくれます。また、栄養をバランスよくとることにより自律神経やホルモンのバランスを整え免疫力が高まります。毎日同じ時間帯に食事することでカラダと生活のリズムを整えます。
- こまめに水を飲む
カラダをベストな状態にしてくれるのが水です。体のさまざまな代謝、老廃物を運び出すデトックスや新陳代謝、体温調節には水が不可欠です。冷たい水を一気に飲むと体が冷えたり、胃腸の機能が障害されることがありますので、常温の水をこまめに飲むのがベストです。
- 適度な運動やストレッチをしよう
運動やストレッチは自律神経やホルモンのバランスを整えてくれます。また身体を動かすことで“エンドルフィン”という脳内ホルモンが分泌されます。これが分泌されると脳が快適な状態になるため、マイナス思考、不満などのマイナス思考をプラス思考に切り替える助けをしてくれます。
- 十分な睡眠を
健康的な生活には十分な睡眠が欠かせません。睡眠は脳、心、体の状態をリセットし、疲労やストレスを開放してくれます。また、睡眠が自律神経やホルモンのバランスを整えるため、本来の活力・能力を発揮しやすくします。慢性的な寝不足は、自律神経やホルモンのバランスを崩し、体調不良や否定的な思考になっていってしまいます。
生活習慣を見直し、自律神経やホルモンのバランスを整えることによりストレスに強くなる力をつけてみましょう。生活習慣を見直し、自律神経やホルモンのバランスを整えることによりストレスに強くなる力をつけてみましょう。
記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格