うつ病の症状

うつ病の症状の経過について

2020年3月8日

うつ病の症状

 

うつ病になると、どのような症状の経過をたどるのでしょうか。必ずしもこのような症状が出ると言うわけではありませんが、一般的な経過を見てみましょう。

 

「うつ病の症状経過」

  1. 一週間以上たっても落ち込みなどが治らない、眠れなくなる
  2. 体がダだるい、疲れがなかなかとれない、やる気が起きない、集中力がなくなる、イライラする
  3. 何に対しても興味がなくなる、食欲がない、眠れない、何をしても楽しくない
  4. そんな自分に嫌気がさし自分を責める、体重が減る、朝起きるのがツライ
  5. 追いつめられ焦燥感が出る、朝起きられなくなり、仕事にも行けなくなる
  6. うまくいかないのは自分のせい、自分はダメ人間だ、と自分を卑下する
  7. 自責の念が強くなり強い焦燥感を感じる、じっとしていられない、つらさや苦しさを感じる
  8. 周りに迷惑をかけている、自分はこの世からいなくなった方がいいと感じ始める
  9. 自分なんて死んだ方が楽だ、死にたいと考え出す

 

一般的には1~9のような経過をたどると言われていますが、早めの段階で治療を開始することができれば、早期の快復が見込めます。

6の症状ぐらい進行していても、治療を続けながら十分休養をとることで回復が望めます。

7の症状以降になると、心身ともにかなり衰弱してきているため、場合によっては入院も考えなければなりません。

そして9のように自殺を考えるようになると要注意で、長期に渡って入院・治療を続ける必要があります。

 

「1日の中での症状経過(日内変動)」

日内変動とは、1日の中で症状うつ病の症状の経過のことです。うつ病は1日の中でも症状に違いや波があるのです。

この日内変動が日々悪化をしていく従い、少しずつ症状の悪い時間が増え、気づいたら1日中調子がわるくなってしまいます。

うつ病は、一般的には朝の症状が重くつらいことが多いと言われています。そして時間がたつにつれてよくなっていきます。

内因性うつ病のように、これといった原因がなく季節に左右されたり、少しずつ脳の機能が悪くなっていくタイプのうつ病は、脳の機能が整わない朝が一番つらくなります。

時間がたつにつれて少しずつ調整がされますので、1日の中で少しずつ楽になっていきます。

逆に、ストレスなどにより不安が強い神経症性のうつ病は、夕方になるにつれて悪くなる傾向があります。

日常生活の中での不安やストレスが蓄積され、少しずつ調子がわるくなってしまうのです。

 

「うつ病の症状を知ることで早期発見に役立つ」

うつ病になるとどうような症状が出るかを知っておくことは、早期発見のためにとても大切な事です。

最初の症状としてよく見られるのは、落ち込みが治らない、気分が落ち込む、イライラする、全てに無関心になる、喜びが感じられないというような興味や喜びを喪失してしまう症状です。

また、あせりや不安などの症状もあわわれます。思考力も低下し意欲もなくなるため、何もする気になれない、物事に集中できないという症状もあります。

体がだるい、なかなか疲れがとれない、食欲がなくなる、眠れないなど、体の不調からはじまるケースもあります。

これらの症状が時間とともに軽くなっていくか、なくなるようなら問題はありませんが、数週間以上も続くようならうつ病の可能性があります。

 

「家族が気づけば早期治療が出来る」

うつ病の患者さんは自分がうつ病かもなんとなく思っていても、それを否定し自分は大丈夫と言い聞かせ思い込む傾向があります。

また家族に迷惑をかけたくないと思い、一人で抱え込んでしまうこともあります。それでは症状がどんどん深刻化してしまいます。

その為、家族がちょっとした変化に気づき、専門医に連れて行くことで早期治療ができるのです。

 

「家族が気付けるサイン」

生活を共にしている家族が、うつ病のサインである、ちょっとした日常の何気ない小さな変化にいち早く気付ければ、早期治療を始めることが出来ます。

うつ病のサイン

  • 家族との会話をほとんどしないようになるなどの口数の減少
  • 食事や間食の量が極端に増大または減少したなどの食欲の異常な変化
  • 疲れている、朝からぐったりしているなどの体調の変化
  • どうせ私なんて…などという、ネガティブな発言が増えるなどのこころの変化
  • 部屋を片付けたりせず、服もぬぎっぱなし、家事などもしたがらないなどのやる気の変化
  • 仮眠傾向になった、逆に眠れない、早くに目覚める、眠りが浅いなどの睡眠の変化
  • お風呂に入りたがらない、ハミガキをしないなどの衛生面の変化

以上のことが目立つようならうつ病を疑って専門医に連れて行きましょう

 

まとめ

うつ病かどうか見分けるポイントは症状の長さと程度です。症状がくり返しあらわれるか、我慢でないほどの強いものであるか、それが長く続いているかどうかを見極めることが大切です。

これまでとは何かが違う、それがいつまでも続いていると感じたらうつ病を疑い、早めに専門医に相談しましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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